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猪名川河川レンジャー

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水谷レンジャーの生き物紹介

 猪名川・藻川にはたくさんの生き物が生息しており、それぞれが密接に関わり合って暮らしています。ここではその一部となる生き物に関する情報をご紹介します。

※この記事は、ニュースレターの水谷レンジャーの連載をまとめたものです。

猪名川に生息する生き物たち

 猪名川には魚や植物、昆虫などたくさんの生き物が生息しています。
 ここからは、猪名川に生息する各生物の特長について知識を深めていきましょう。

①アカミミガメとアメリカザリガニ

 6月1日からアカミミガメとアメリカザリガニの規制が始まりました。これらの外来種はブラックバスなどの特定外来生物とは一風異なる条件付特定外来生物として扱われます。ペットとして飼育している場合は、届け出などの手続きなしで飼育を続けることができますが、野外に放したり逃がしたりすると処罰対象になります(ただし、無償譲渡は認められる)。
 アカミミガメとアメリカザリガニは猪名川流域にも生息しており、目立った農業被害は確認されていないものの、見えないところで在来生物たちに大きな影響を与えていると考えられます。野生個体は駆除が望ましいですが、捕獲方法や殺処分の手段など、駆除活動は進んでいるとは言えません。彼らに悪気はなく、野外に放した人間に責任があります。生き物の飼育を始めるとき、その生き物のことをよく調べてから終生飼育ができると判断した上で迎えてください。

アカミミガメ

②知られざる外来生物 ~国内外来生物~

 外来生物と聞くと、海外から導入された生物(国外外来生物)を連想するのではないでしょうか。猪名川流域では、外来魚オオクチバスや外来植物アレチウリなどが生息しています。
 一方で、国 内 の移動 であったとしても、ある地域 へ他の地域から導入される生物は外来生物として扱われ、国内外来生物と呼ばれています。琵琶湖原産のゲンゴロウブナ(別名ヘラブナ)は猪名川下流域から一庫ダムまで分布していますが、猪名川に生息する本種は自然分布域外であるため国内外来生物です。また、ギンブナのように全国各地で広く分布する種は、在 来 由来か、人 為的に導入された外来由来なのかは、外見上では区別ができません。写真は兵庫県三田市で採集されたギンブナです。もし、九州地方で採集されたもの、と言われたとしても外見上では否定できないのです。
 国内外来生物は、国外外来生物と同様に、もとからその地域にある生態系に影響を与えるとされています。猪名川の生物多様性を維持・保全していくためにも、国内外来生物を正しく認知する必要があるのではないでしょうか。

ギンブナ(兵庫県三田市産)

③その生き物、どうやって種類分けしますか?

 前回のトピックスで取り上げたフナの仲間は種類分けが非常に難しい魚です。外見上から見分けるには熟練を要し、棲んでいる環境や餌も似ています。確実に判別するには、解剖して、とある器官を比較する必要があります。
 それではカブトムシのように、オスとメスで体型が異なる場合を考えてみてください。そのカブトムシらしい2匹の昆虫は見た目が違うのに、私たちは「カブトムシ」であることをすでに知っています。この前提知識がなければ、その2匹を自然条件下で孫世代まで繁殖できるかを検証して、やっと同種とみなせます。
 この他にも、生活スタイルや棲んでいる場所が異なるなど、生き物を判別しうる条件は数多く存在します。今日では、遺伝子による判別が可能になってきたものの、化石となった古代の生き物には通用しません。このように、様々な特性を持つ生き物を種類分けするには臨機応変な判別手法が求められます。種類分けすることは、実はとても難しいことなのです。

カワムツ
ヌマムツ

④ブラックバスの驚くべき生態

 外来魚の代表格として知られるブラックバス。1925年に釣りの対象として導入され、その後、ほぼ全国に分布を拡大しました。なぜ日本でこれほどまでに増えてしまったのでしょうか?
 真っ先に思い浮かぶのは、日本の淡水域に天敵が少ないことです。さらに、ブラックバスならではの生態があります。それは雄親魚が産卵床(卵を産む場所)を作り、卵や稚魚を守ることです。これでは、誰もブラックバスの卵を食べることができません。原産地のアメリカでは天敵としてガーパイクのような巨大な肉食魚がいるのですが…。
 ブラックバス対策として、産卵床の破壊や親魚の捕獲が挙げられていますが、いずれもハードルが高く、駆除対策は難航しているのが実情です。

ブラックバス
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